日本数学史学会は,会員故桑原秀夫氏から寄贈していただいた基金をもとに桑原賞を設け,昭和55年度から毎年,数学史の研究・教育・普及に貢献した顕著な業績を顕彰しています(以下の「受賞者一覧」参照)。
※ 2024年2月11日に運営委員会が開催され、桑原賞選考委員会から2023 年度(令和5年度)日本数学史学会桑原賞選考結果が報告されました。ハラルド・クマレ(Harald Kümmerle)氏が、桑原賞を受賞されました。
桑原賞受賞者一覧 回 年度(S/H/R) 受賞者 受賞作品
1 S 55 (1980) 松崎利雄 『江戸時代の測量術』
2 56 (1981) 平山 諦 『増修日本数学史』
大矢真一 『和算以前』
3 57 (1982) 戸谷清一 『日本珠算史』
4 58 (1983) 福島県和算研究保存会 『新・福島の和算』
5 59(1984) 安富有恒 『岩手の算額』
千喜良英二・勝見英一朗「佐久間纉の和算教育並びに渡辺一の和算について」
6 60(1985) 八巻寿亮 『宮城の和算』
7 61(1986) 道脇義正他16名 『和算家の生涯と業績』
弦間耕一 『甲州の和算家』
小谷静枝 『頭書 算法闕疑抄』
8 62(1987) 群馬県和算研究会 『群馬の算額』
下平和夫 『日本人の数学感覚』
9 63(1988) 大竹茂雄 『数学文化史―群馬を中心としてー』
王 青翔「『算法統宗』と『塵劫記』の 比較研究―比較数学史の試みー 」
佐藤健一 『算俎―現代訳と解説―』
10 H 1 (1989) 該当者なし
11 2 (1990) 該当者なし
12 3 (1991) 米光 丁 『九州・四国の現存算額探訪必携』
山路 実 「飛鳥・奈良時代の竿子木簡等の調査」
西田知己 「17世紀における「算勘」 概念の変遷について」
13 4 (1992) 鈴木久男 「江戸文学におけるそろばん」
金子 勉『諸勘分物』及び「百川治兵衛 和算 書稿本について 」
14 5 (1993) 天野 宏 『神奈川県算額集』
近畿数学史学会 『近畿の算額 数学の絵馬を訪ねて』
15 6 (1994) 森田芳雄 『容術新題の研究』
16 7 (1995) 田中 充 「弧矢弦叩底」に関する一連の論説
17 8 (1996) 野口泰助 特別賞
18 9 (1997) 藤井康生 『算法天生法指南(全五巻)問題の解説』
中村信弥 『幕末に咲いた和算の花「算法瑚連」と観戒之器』
19 10 (1998) 深川英俊 『例題で知る日本の数学と算額』
20 11 (1999) 赤羽千鶴他5名 『増補 長野県の算額』
下浦康邦 『吉田・角倉家の研究』
21 12 (2000) 吉田柳二 『算学鉤致解術』 田中延佳 特別賞
22 13 (2001) 該当者なし
23 14 (2002) 奥村 博 『CD-ROM和算書集成』
24 15 (2003) 該当者なし
25 16 (2004) 林 隆夫 「塵劫記の書名について」及び「塵劫記以前の継子立」
岡山県和算研究会 『啓廸算法指南大成』
愛媛和算研究会 『愛媛の算額―見学のしおり―』
26 17 (2005) 該当者なし
27 18 (2006) 城地 茂 『日本数理文化交流史:関孝和と「楊輝算法」』
横塚啓之「拾璣算法弧背解極秘伝」及び「拾璣算法弧背解」における弧矢弦の公式の導出方法」
28 19 (2007) 張家山漢簡「算数書」研究会『漢簡「算数書」―中国最古の数学書―』
29 20 (2008) 該当者なし
30 21 (2009) 該当者なし
31 22 (2010) 小野崎紀男 『日本数学者人名事典』
32 23 (2011) 竹迫 忍 「大衍暦法による日食計算と進朔の検証」他
33 24 (2012) 小寺 裕 特別賞:ホームページ「和算の館」
34 25 (2013) 該当者なし
35 26 (2014) 該当者なし
36 27 (2015) 該当者なし
37 28 (2016) 小曽根淳 「 17世紀に日中へ渡来した三角関数表について」
38 29 (2017) 薩 日娜 『日中数学界の近代』
39 30 (2018) 該当者なし
40 R 1 (2019) 小川束 森本光生
『Mathematics of Takebe Katahiro and History of Mathematics in East Asia』
41 2 (2020) 該当者なし
42 3 (2021) 田部井稲勝 『精要算法巻之下(幾何問題)』
長田直樹「関孝和編『算学玄訓』について」
43 4 (2022) 該当者なし
44 5 (2023) ヘラルド・クマレ(Harald Kümmerle)
書名:『Die Institutionalisierung Mathematik als W issenschaft im Japan der Meiji- und Taishō- Zeit (1868-1926)、Acta Historica Leopoldina Nr. 77 (2022)』
翻訳書名:『明治・大正時代の日本における科学としての数学の制度化』